特集・コラム

ワークフローコラム

第8回 「働き方改革、待ったなし」の人事・総務部門に効くワークフローシステム

著者:サービス開発本部 内藤 晃孝


現在、国内のあらゆる業界において、官民を挙げて取り組みが進められている「働き方改革」。前回は、この働き方改革を進める上で、ワークフローシステムが極めて重要な役割を演じることを紹介しました。そこで今回は、ワークフローシステムが企業の働き方改革に一体どのような形で貢献できるのか、特に企業の働き方改革をリードする立場にある人事・総務部門の方により具体的にイメージしていただけるよう、実例を挙げながら紹介したいと思います。


紙ベースの稟議には目に見えない多くの手間が

従業員数規模が約1000名のとある製造業A社様では、経営トップの号令の下、全社で働き方改革を進めています。その具体的な取り組みを担う同社の人事・総務部門では、長時間労働に対する改善策として、業務プロセスにおける時間や手間を削減できる余地がないか検討することになりました。社内の各部門で行われている業務プロセスの実態を調査した結果全社レベルで行われている稟議の業務フローでは多くの手間が掛かっている状態でした。

一般的に「稟議」とは、企業で承認が必要な事項について当該の担当者が起案を作成して関係者に回し、承認を求めることであり、会議を開くことなく文書の回付と決済のみで意思決定ができ、関係者へ周知できることがメリットです。日本において多くの企業に採用されている稟議制度ですが、その運用に苦しむ場合も多いようです。A社様の場合も同様でした。例えば、起案書にはいまだに紙の書類が使われており、書類の紛失や記入ミスなどが頻発し、その都度経理部や総務部、経営企画部など関連部署への負荷が発生して本来の業務を圧迫している状況でした。

また、稟議の承認を担う管理職が出張などでオフィスを不在にしていると、承認作業がその間ストップしてしまい、稟議のプロセス全体が停滞してしまうことも頻発してました。特に海外出張など承認者の不在期間が長期にわたる場合、業務への影響だけでなく、現場レベルで不満も大きくなっていました。

さらには、起案書はフォーマットや記載方法、用語の定義などのルールなどが決められておらず、部署ごとに異なる様式やローカルルールが存在している状況でした。そのため、管理面の負担と内部統制の観点から問題が指摘されていました。ルールが曖昧であることで、担当者はケース・バイ・ケースの対応に追われ、また起案者も稟議の承認プロセスが滞ってしまうことで長時間労働を強いられるケースがたびたび起こっていました。

実はとても曖昧で例外ケースも多い現実世界の業務フロー

こうした課題を解決し、稟議にかかわる人々の働き方改革を実現するために、A社様ではワークフローシステムによる稟議プロセスの電子化に取り組むことにしました。当初は「既に社内導入されているグループウェアシステムのワークフロー機能を使って、現在の紙の稟議プロセスをそのまま電子化すればいい」と考えていた同社でしたが、検討を進めるうちにそう簡単ではないことが分かってきました。

電子化するに当たり、まずは既存のワークフローの内容や承認者の役割・権限などをきちんと定義する必要がありました。業務をワークフローシステムで動かすためには、「誰が」「何を」「どのような承認ルートで」といった論理的な定義が必要だからです。A社様に限らず、これまで役割と権限が曖昧なまま「何となく」行われていた業務プロセスを、電子化を契機に棚卸しするケースは多く見られます。その際、ワークフローパッケージさえ導入すれば、既存の業務プロセス簡単に電子化できると思われがちですが、実際には電子化した後の業務のあり方をイメージしながら業務プロセスをあらかじめきちんと整備しておかなければ、電子化の取り組みはなかなかうまく運びません。

A社様では、業務プロセスの棚卸を実施した結果、その内容が複雑で多岐に渡ることが判明しました。たとえば、備品を調達する場合、基本的に総務部門を通しますが、PCの調達ではそれに加えて経理部門を通す必要があるなど、新製品開発の稟議では、通常の稟議プロセスに加えて法務部門で著作権の確認を行う必要があるなど、業務の特性上、例外的な処理を必要とすることが多かったのです。

当初はグループウェアにオプションで付いているワークフロー機能でこれに対応しようと試みましたが、必要な機能が不足しており、断念せざるを得ませんでした。グループウェアの機能に合わせて業務フローやルールを変えようとすると、まずその業務やルールの見直しに時間とコストがかかります。また、無理に適用しようとすると、今度は業務に混乱を来たしてしまい、働き方改革はおろか、逆に業務効率が大幅に低下してしまう懸念がありました。これでは明らかに本末転倒です。

ワークフローシステムで業務効率化するためのポイント

A社様では、それまで曖昧だった業務の役割や権限をあらためて整理するとともに、それまで紙のフォーマットが用いられてきた起案書類をすべて電子化しました。その際グループウェアのワークフロー機能ではなく、汎用的なワークフロー専用ツールを新規に導入し、あらゆる例外ルートも含めた業務フロー全体をワークフローシステムの上に実装することにしました。

A社様のケースでポイントとなった要素を4つにまとめます。

・ルールの整備
ワークロー導入を契機に曖昧だったルールの見直しを実施。

・入力時の入力支援とチェック機能を実装
汎用ワークフローの強みである拡張性を活かし、他システムと連携することで入力時の入力支援とチェック機能を実装しました。例えば社員名や社員番号などのデータは、人事システムと連携して自動的に取得することで入力ミスを防止できるようになり、ミスによる手戻りを減少させることに成功、また利用者側からすると自動入力があることにより利便性が向上しました。

・セルフサービス化
各業務部門に直接ワークフローを更新できる権限を与えました。これによりワークフローの「セルフサービス化」を実現し、現場の担当者が業務内容の変更に伴うワークフローの追加・変更にも素早く対応できるとともに、情報システム部門の負荷を抑えることができました。

・モバイル機能を活用
モバイル機能により外出先で承認を行えることも可能になり、課題の1つであった「担当者不在による稟議の滞り」がほとんどなくなりました。



A社様では、ワークフローシステムの導入によって業務効率化と働き方改革の成果を着実に上げることができました。今回は、稟議の例をご紹介させていただきましたが、稟議以外にも人事や総務など、紙による申請を多く取り扱っている業務は多く存在します。
そうした業務に携わる方々が働き方改革を進める上でも、今回の内容が少しでもご参考になれば幸いです。

■次のコラム
第9回 「モバイルとワークフローシステムの連携」が働き方改革を加速させる

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第7回 「働き方改革」に効くワークフローシステムの活用方法とは?

※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。

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