特集・コラム

ワークフローコラム

第5回 ワークフローと周辺システムとの連携

著者:サービス開発本部 内藤 晃孝


今回と次回の2回に渡り、ワークフローシステムと周辺システムとの連携について紹介したいと思います。まず前編となる今回は、ワークフローシステムと人事システムとの連携について取り上げます。

ワークフロー有効活用の鍵を握る「周辺システム連携」

最近、政府が主導する「働き方改革」の潮流を受けてか、弊社にも「業務効率化のためにワークフロー製品の導入を検討したい」という問い合わせを多くいただくようになりました。ワークフローシステムは、これまで紙の書類で行っていた申請・承認業務の電子化を促進することで社内業務の大幅な効率化を実現します。さらに、モバイル端末を使って社外からも承認作業を行えるようにすることで、時間や場所にとらわれない新たなワークスタイルを促進します。

しかし、こうしたワークフローシステムの導入効果は、ワークフロー製品単体だけでは必ずしも十分に発揮されるとは限りません。周辺のシステムと密接に連携させて運用することで、初めて業務効率化が可能となります。より具体的にいえば、「人事システム」と「文書管理システム」との連携が鍵を握ります。以下がシステム連携の大まかなイメージとなります。
ワークフローシステムは、まず人事システムから組織やユーザーに関する情報を受け取ります。一連の申請・承認フローがすべて完了した後、文書管理システムに対して帳票やドキュメントのファイルを受け渡します。ではなぜ、これらのシステムとの連携が必要なのでしょうか? この点について、今回は人事システムとの連携を中心に解説してみたいと思います(文書管理システムとの連携については、次回で詳しく取り上げる予定です)。

なぜ人事システムとの連携が必要なのか?

ワークフローの仕組みを実現するには、「誰が承認を行うか」をシステムがあらかじめ知っている必要があります。たとえば、申請者Aさんがとある帳票の申請を行ったときには、Aさんの直属の上司と部長が承認を行う。申請者Bさんが同じ申請を行う場合には、当然Bさんの直属の上司と部長が承認を行う。また、申請内容・種類によっては上司や部長だけでなく、総務や他の部門・役職の人も承認ルートに含むケースもあるでしょう。このように、申請者と申請内容が変われば、承認ルートに含まれるべき承認者もその都度変わります。
承認ルートごとの適切な承認者をワークフローシステムが判断するには、社内組織の全体構成と、それぞれの組織や部門に含まれる役職に関する情報が不可欠です。そして、それぞれの組織と役職に具体的なユーザーをひも付けることで、承認ルートごとに適切な承認者を割り当てることが可能になるのです。

また、多くの日本企業においては、年度ごとの組織変更により承認者を変える必要があるほか、内部統制の観点からも正しい承認ルートで確実にプロセスを実行する必要があります。目指すゴールにもよりますが、従業員数が100名を超える程度の規模の企業でワークフローシステムを運用するには、人事システムとの情報連携が望ましいといえます。

自動データ連携によってスムーズかつ正確な情報受け渡しを実現

ワークフローシステムと人事システムとの連携を考える上では、「人事データの特性」に留意する必要があります。会社組織は生き物です。人が次々と入ってきて、そして次々に出て行きます。人事異動や昇進、組織変更のたびに、従業員の所属先や役職が変わります。そのため、人事データに含まれる組織やユーザーに関する情報も、頻繁に更新が発生します。

この更新内容をいかに迅速に、かつ正確にワークフローシステムに反映できるかがシステム連携の鍵を握ります。もし人手で人事データの更新内容をいちいち抽出し、ワークフローシステムに反映させていたらどうでしょうか? 従業員数が100名くらいまでの会社なら何とかなるかもしれませんが、数千人、数万人規模の会社となれば作業負荷は膨大に上り、当然ミスや漏れも頻発することでしょう。

そこで必要になってくるのが、ワークフローシステムと人事システムとの間で自動的にデータを連携する仕組みです。人事システム側で更新された情報が、自動的にワークフローシステム側に手渡される仕組みが構築できれば、人手で連携する場合に付き物の作業負荷や作業漏れが一気に解消できます。

ちなみに私が過去に担当した案件の中にはIDM(ID管理システム)の仕組みを両システムの間に介在させた事例もあります。人事システムからワークフローシステムに手渡される更新情報の中には、例えば住所変更や家族構成の変更など、ワークフローシステムにとっては不要な情報も数多く含まれます。そのため、間にIDMを挟むことで、必要な情報のみがワークフロー側に渡るよう制御するわけです。

システム連携の実装に当たっては細かなノウハウが必要

以上、ワークフローシステムと人事システムの連携について、基本的な事柄を簡単に紹介してみましたが、実際に連携の仕組みを構築するのはそう簡単なことではありません。ほとんどの企業の組織形態は、ワークフローシステムにとって扱いやすい「きれいで理想的な形の組織」にはなっていません。例えば「部長代理」「副部長」「部長補佐」といったような権限が類似した役職が乱立していることや、逆に特定の役職やポストがごっそり抜けていることもあります。

さらに組織の形は刻一刻と変わっていくため、常に人事システムから適切な情報をタイムリーにワークフローシステムに反映させていく必要があります。そのため、ワークフローシステムと人事システムの連携を適切に設計・運用するには、既存の業務プロセスを見直す必要があります。場合によっては、自社やSIパートナーだけではまかないきれないケースも出てくるかもしれません。

弊社はこれまで数多くのお客さまにワークフローシステムの設計・構築・運用サービスを提供しており、また自らもCTCグループ全体で既に10年以上に渡って大規模ワークフローシステムを運用し続けています。こうした実績に裏打ちされたスキルと抱負なノウハウに基づき、的確なシステム連携の姿をお客さまに提案できると自負しています。もしワークフローシステムと周辺システムとの連携にお困りであれば、ぜひお気軽にご相談いただければと思います。

なお次回は、ワークフローシステムと文書管理システムとの連携について紹介したいと思います。

■次のコラム
第6回 ワークフローと周辺システムとの連携 <文書管理システム編>

■前回のコラム
第4回 ワークフローと基幹システムの連携

※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。

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