特集・コラム

仮想化基盤運用コラム

第10回 運用をルール化する(後編)

著者:運用・自動化サービス推進部 紫藤 泰至

実録!運用のルール化

さて、いよいよ運用のルール化です。今回は、「仮想マシンの払い出し」のお仕事をルール化することを考えてみます。

ここで、「仮想マシンの払い出し」について、ちょっと復習をします。

「仮想マシンの払い出し」とは、共通して使用している仮想化基盤から仮想マシンをつくることです。詳しくは、コラム第9回でご説明しています。また、仮想化基盤の仕組みについては、、コラム第8回でご説明しています。合わせてご覧いただければと思います。

スコーピングと工程分解

まずは、「①スタートとゴールを決める」ことから始めます。

実業務では、払い出しのタイミングは、いくつかあります。新しいシステムをつくるために、新たに仮想マシンが必要になったとき。また、すでにあるシステムの仮想マシンが足りなくなったために、新たに追加する場合などです。

新たなシステムのためか、それとも既存のシステムのためか、いずれにしろ、仮想マシンを欲しがっている人がいるということです。この仮想マシンを欲しがっている人を仮に依頼主と呼びましょう。依頼主がいることは、当たり前と言えばそうなのですが、仮想化基盤の運用を考える上ではとても重要なことなのです。

「仮想マシンの払い出し」は、依頼主から依頼が来て、仮想マシンを引き渡すまでがお仕事です。

払い出しのスタートとゴールが決まったところで、いよいよ「②何をするのか?」です。

それでは、「仮想マシンの払い出し」における「何をするのか?」の一例を見てみましょう

※少々専門的な用語が出てくるかも知れませんが、軽い気持ちで読み進めていただければ良いかと思います。ご興味がある用語がありましたら、検索サイトで意味を調べてみることをお勧めします。
仮想マシンの払い出し工程

スタートからゴールまでの工程を洗い出すことは「工程分解」と呼ばれる技法です。重要なのは、可能な限りすべての作業を洗い出すことです。

実際には、例に挙げた工程のレベル(専門用語で粒度を言います)では、運用をすることは難しいです。更に詳細化をして、コンピュータの操作をする際に参照する手順書(マニュアル)を作ることが一般的です。

加えて、すべてのお仕事に共通する「作業をする際の心得」をまとめることがあります。

例えば、以下のような内容です。

 ・コンピュータにアクセスして作業をする際は、一人ではせずに二人で相互チェックをしながら行う
 ・所定のステップに来たら、管理者の確認(承認)を受ける

ひょっとすると、こちらの心得のほうが「ルール」として捉えやすいかもしれません。このようなルールを複数組み合わせることで、より堅牢なルールを作り上げるのです。

まだまだ決めることがある?!

最後に、「③ある程度うまくいかない状況も想定する」です。

前述の「仮想マシンの払い出しの工程」の工程(6)に「⇒稼働がサポートされていないアプリケーションの場合…」と記載しています。このように、うまくいかなかった場合の対処方法もあらかじめ決めておく事が必要です。うまくいかない場合の対処方法を増やすことで、複数人のチームの中で誰が「運用」しても、同じ結果が出るようにします。とは言いつつも、あまり細かいところまで決めておくと、「ルール」自体が複雑化し、使い勝手の悪いルールになる可能性もあります。ルールの作成には、「堅牢さ」と「使いやすさ」のバランスが求められるのです。

運用のルール化を進めて、うまくいかなかった場合の対処方法を洗い出したとしても、実際の運用を始めた際に、うまくいかないことばかりが発生しても困りものです。できれば、最初から最後までうまくいってもらいたいものです。

「仮想マシンの払い出しの工程」の図に、うまくいかないときの対処が多く書かれている部分を枠で囲ってみました(赤枠)。この枠の部分がうまくいかないことが多いポイントになります。

赤枠で囲った部分をよく見ると、依頼主とやりとりをするところであることがわかります。逆に、仮想化基盤環境(つまりコンピュータ)を使うのは、実際の払い出しの工程のみです(青枠)。正しく管理されたコンピュータでは、余程のことがない限りうまくいかない状態に陥ることはありません。正しく払い出しができる状態にコンピュータを仕上げてから運用を開始するからです。
図「仮想マシンの払い出し工程 その2」はこちら


つまり、運用をより「うまくいく状況」にするためには、依頼主とのやりとりをスムーズにする必要があるのです。

そのために、もう一つルールを作ります。それは、依頼主と運用の人双方に関係するルールです。

次回のコラムでは、もう一つのルールについて、ご説明したいと思います。

■次のコラム
第11回 運用のもう一つのルール(前編)

■前回のコラム
第10回 運用をルール化する(前篇)

著者:運用・自動化サービス推進部 運用デザイナー 紫藤 泰至

メインフレームからのシステム運用の経験を活かし、お客様のシステム運用をデザインする業務を歴任。
現在は、仮想化基盤(プライベートクラウド)運用、運用自動化をデザインするコンサルティングに従事。
ITIL Expert保有。

※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。

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