特集・コラム

仮想化基盤運用コラム

第7回 仮想化基盤の仕組み(前編)

著者:運用・自動化サービス推進部 紫藤 泰至

先日、映画『風立ちぬ』を観てきました。公開からしばらく経っているので遅ればせながらですが、とても感銘を受けました。作品では、零戦の設計者として知られる堀越二郎氏がモデルとして描かれ、飛行機のことを全く知らない私でも設計の難しさと魅力を感じ取ることができました。

映画を見習い、「仮想化基盤運用」を解説する本コラムも、ITシステムの知識が少ない方にも楽しんでもらえるように話を進めていこうと思います。

しかし今回は、少々難しい内容になります。このコラムのメインテーマである「仮想化基盤運用」を理解するために、まず「仮想化基盤」とはどんなものかを説明する必要があるからです。読者の皆さんには「こんな感じかな?」といった大まかなイメージで理解していただければと思います。一方、ITシステムやコンピュータの知識を既にお持ちの方には「厳密に言うとちょっと違う」と感じられる部分があるかもしれませんが、「仮想化基盤」をシンプルに捉える一つの説明方法だと考えていただければと思います。

「仮想化基盤」とは何か

「仮想化基盤」とは、文字通り「基盤」を「仮想化」したものです。「仮想化」の話は後に説明しますので、まずは「基盤」についてお話します。

基盤とは、物事の基礎となるもので「インフラストラクチャー【infrastructure】」(略して「インフラ」)と呼ばれることもあります。「社会インフラ」という言葉をよく聞きますが、この場合は「社会の基礎になるもの」、つまり「生活するために必要なもの」という意味で使われ、電気、ガス、水道、電話、インターネットなどを指しています。

ここで説明する「基盤(インフラ)」とは、ITシステムの基礎になるものを言います。IT基盤、ITインフラとも呼ばれ、その主役はコンピュータです。そこで、「仮想化基盤」を知る第1歩として、コンピュータの仕組みをシンプルに説明していきましょう。

コンピュータは、その性質上まず2つに分けられます。ハードウェアとソフトウェアです。

ハードウェアとは目に見える物理的なもので、PCの本体である四角い箱がそれです。ノートPCの場合は、キーボードと画面が一緒になっています。

その中身をとてもシンプルに説明すると、コンピュータには「CPU【Central Processing Unit】」(シーピーユー)、メモリ、ハードディスクが入っています。この3つは「仮想化」を理解する上でとても重要です。

CPUとは、計算をしたり考えたりなどする部分で、人間でいうと頭脳にあたるものです。このCPUのデータ処理速度でコンピュータの性能が左右され、今も日進月歩で進化しています。

メモリとは、コンピュータがちょっとした記録をするためのメモ帳です。しかし、メモ帳はあまりたくさん持つことができず、あくまでもちょっとした記録用です。

そこで、本格的な記録のためにノートを別に用意します。これがハードディスクという装置です。記録をする部分が固い金属の円盤になっているため、ハードディスクと呼ばれます。

CPUの性能だけでなく、メモリ(メモ帳)の量が多ければハードディスク(ノート)を読み返す回数を抑えることができるので、コンピュータの処理速度は早くなります。また、ハードディスクの容量が多いと、たくさんのデータを記憶することができます。PCはこの3つの処理速度が速かったり、容量が多かったりすると、より高性能だといえます。しかしその分、お値段も高くなるので、ここはお財布と相談ですね。

さて、ハードウェアだけではコンピュータは動きません。ソフトウェアが必要になります。ソフトウェアとは、人間の思考に該当するものです。ハードウェアと違ってそれ自体は目に見えないですが、ハードウェアの中に存在しています。

ソフトウェアは、「OS【Operating System】」(オーエス)と「アプリケーションソフトウェア【Application software】」(アプリケーション、またはアプリと略される)の2つに大きく分けられます。

OSは、コンピュータが動くのに絶対必要なソフトウェアで、具体的にはWindows、Linuxなどの種類があります。

アプリケーションは、OS上で動くソフトウェアのことです。インターネットで調べ物をする時に使うブラウザ(Internet ExplorerやFirefoxなどが代表的)がアプリケーションに分類されるソフトウェアです。この他、Microsoft WordやMicrosoft Excelなどもアプリケーションに含まれます。
コンピュータの仕組み
コンピュータの仕組み
重要なのは、アプリケーションはOSがないと動かないソフトウェアであること。そして、アプリケーションには特定の目的があることです。たとえば、文章を書く時はMicrosoft Wordを使用し、計算をしたい時はMicrosoft Excelを使用します。つまり、アプリケーションは用途によって様々な種類があり、使用者が選ぶことができるのです。ただし、これらのアプリケーションを使うにはOSがなくてはなりません。

これ以外に、忘れてはいけないものが「コンピュータネットワーク【Computer network】」(単にネットワークと呼ばれる)です。

第3回のコラムでコンピュータの進化を紹介した際、「比較的安い、小さなコンピュータを複数台組み合わせて、大きなコンピュータの性能に追いつかせよう」としたことを説明しました。複数のコンピュータを組み合わせる時に必要なのが、ネットワークです。その重要性は時代を追って増しており、今やネットワークがない世界を想像するのは難しいでしょう。

■次のコラム
第7回 仮想化基盤の仕組み(後編)

■前回のコラム
第6回 ITシステムのプレーヤーたち(後編)

著者:運用・自動化サービス推進部 運用デザイナー 紫藤 泰至

メインフレームからのシステム運用の経験を活かし、お客様のシステム運用をデザインする業務を歴任。
現在は、仮想化基盤(プライベートクラウド)運用、運用自動化をデザインするコンサルティングに従事。
ITIL Expert保有。

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