特集・コラム

仮想化基盤運用コラム

第6回 ITシステムのプレーヤーたち(中編)

著者:運用・自動化サービス推進部 紫藤 泰至

プレーヤーの役割とそれぞれの仕事

ある日、Aさんは思いました。
「1人でいると寂しいから、たくさんの人と友達になりたいな」
そして、ITシステムの力を使えばその夢がかなうのではないかと考えました。しかし、AさんにはITシステムの知識がほとんどありません。そこで、ITシステムに詳しいBさんに相談してみました。Bさんは、Aさんの話を全て聞いた後、「明日まで待ってくれ」と言いました。

翌日、Bさんは丸めた紙を小脇に抱え、Aさんのところにやってきました。その紙を見ると「設計図」と書かれています。Bさんは、その設計図をAさんに見せて言いました。
「こんな感じでコンピュータを組み合わせてITシステムを作ってみたらどうだろう。そして、いつでもコミュニケーションをとれるようにすれば、きっと友達がたくさんできるよ」
「なるほど、それはすごい!」とAさんは大喜びしましたが、ハタとあることに気付きます。
「自分にはITシステムの知識がほとんどないけど、これをどうやって作ればいいのかな?」
「それは心配ない。ITシステムを作ってくれる企業があるよ。IT企業のC社に頼んでみては?」

翌日、AさんはBさんが書いた設計図を持ってC社に行きました。
C社の担当者は「この設計図に書いてあるITシステムを作るには、この製品とこの製品を組み合わせれば可能です」と言いました。
Aさんは、今まで貯めてきたお金を使ってコンピュータ製品の購入とITシステムを作ることをC社にお願いすることにしました。

数ヶ月後、待ちに待ったITシステムができ上がりました。Aさんは喜んで周りの人たちに使ってもらったところ、少しずつ使う人が増えていき、友達がたくさんできました。Aさんはとてもハッピーです。

しかし、ITシステムに詳しくないAさんには、ITシステムの面倒を見ることが徐々に負担になってきました。つい先日も、ITシステムが使えなくなり、友達からの苦情を受けて慌てて直したばかりです。困ったAさんは、C社に相談することにしました。
C社の担当者は快く相談にのってくれ、「ITシステムの面倒を見る仕事は、系列会社のS社で対応可能です」とS社を紹介してくれました。

Aさんは、さっそくS社を訪問しました。S社の担当者は、Aさんの話をとても丁寧に聞いてくれました。
「それはお困りですね。ITシステムの面倒を見る仕事=運用のことなら全てお任せください」
そう言って、実際に行う運用について詳しく説明してくれました。Aさんは「これなら大丈夫だ」と思い、ITシステムの面倒をS社に見てもらうことにしました。

Aさんは大変な作業から解放され、友達とのコミュニケーションに集中することができるようになりました。S社の運用によってITシステムはいつでも快適に使えるようになり、使う人みんながハッピーになりました。めでたし、めでたし。

さて、この物語の登場人物とITシステムのプレーヤーの関係を図にしてみます。
登場人物のマッピング
登場人物のマッピング
この物語では、初めて「売る人」=C社とS社が登場しました。
C社は「使う人」の要望を実現するためのコンピュータやネットワーク機器などを仕入れてITシステムを作り、「使う人」に売ります。C社はITシステムを「作る人」であり、「売る人」でもあるので、2つのプレーヤーを兼ねています。同様にS社も、ITシステムを「動かす人」であり、運用というサービスを「売る人」でもあります。

これまでにまだ登場していないプレーヤーが、「教える人」です。
「教える人」は、全てのプレーヤーに対して、そのプレーヤーにとって必要な知識を教えます。例えば、ITシステムをより安全に使うために必要なセキュリティの知識を「使う人」に教えるのは、「教える人」の仕事です。
ITシステムが世の中に普及し重要度を増すにしたがって、ITシステムに関わるプレーヤーに求められることもより高度化し、「教える人」が必要とされるようになりました。上の物語には登場しませんでしたが、「教える人」もとても重要なプレーヤーです。

全てのプレーヤーの役割をまとめると以下のようになります。
ITシステム全体のプレーヤーたち
ITシステム全体のプレーヤーたち
この図は先ほどの物語とは異なり、「描く人」も「売る人」になっています。これに当たるのは「コンサルタント」と呼ばれる職業です。「教える人」も同様に、ITシステムの知識を教えることでビジネスをしている企業が該当します。

このように、「描く人」、「作る人」、「動かす人」、「売る人」、「教える人」は役割分担をしながら、ITシステムを通じて「使う人」がハッピーになることを目指します。これがITシステム全体の目標です。

ここで紹介したプレーヤーは6人ですが、実際にはもっと多くのプレーヤーが存在し、分野ごとのスペシャリストとして活躍しています。中には、複数の分野で活躍するオールマイティーなスーパープレーヤーで「何でもござれ」という人もいます。しかし、これはあくまでも例外で、自分のスペシャリティを発揮しながら仕事をするのが一般的です。

その理由は、「ITシステムの全てを理解するのは大変なので、スペシャリストとして役割分担をせざるを得ない」からだと私は考えています。

私自身、ITシステムを理解することはとても難しいと感じています。情報処理やITシステムの勉強をし始めた当初、入門と書かれている参考書を読んでも全く頭に入って来ず、進路を誤ったかと途方に暮れた時期もありました。センスや好き嫌いの問題もあるのでしょうが、今でも難しいと感じます。更に、ITシステムの技術の進化は早く、せっかく身に着けた知識もあっという間に古くなり、常に新しい技術を追いかけなくてはいけません。また不思議なことに、ジャンルによって「合う・合わない」があり、ネットワークは得意でもデータベースはからっきしダメという人がいる話もよく聞きます。

こうした世界ではオールマイティーなスーパープレーヤーを目指すよりも、その人の特性を活かした役割のプレーヤーとなって互いに協力し合うのがITシステムをうまく利用していくための現実的な方法なのです。
(後編に続く)

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第6回 ITシステムのプレーヤーたち(後編)

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第5回 運用のハッピーとは?

著者:運用・自動化サービス推進部 運用デザイナー 紫藤 泰至

メインフレームからのシステム運用の経験を活かし、お客様のシステム運用をデザインする業務を歴任。
現在は、仮想化基盤(プライベートクラウド)運用、運用自動化をデザインするコンサルティングに従事。
ITIL Expert保有。

※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。

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