特集・コラム

仮想化基盤運用コラム

第4回 誰がスイッチを入れるの?

著者:運用・自動化サービス推進部 紫藤 泰至

前回は、「運用」の対象が「ITシステム」であることを説明しました。今回は、下の②にあたる「ITシステムをどうする」ことが、「運用」なのかを説明していきたいと思います。

①何を? → ITシステムを
②(うまく)どうすると?
③どうなるの?(どんな目的が達成できるのか)


ITシステムは人が「動かす」もの

「運用」という言葉を理解するため、第2回では「どうすると?」の選択肢として、「用いる」「使う」「動かす」という3つのキーワードを挙げました。振り返って確認すると、証券会社にとってはお客様に代わってお金を「用いる」こと、鉄道会社にとっては列車を「動かすこと」が、「運用」だと捉えました。

それでは、ITシステムの「運用」にとっては、3つのキーワードのうち、どれが一番ふさわしいのでしょうか?

結論から言うと、ITシステムの「運用」にもっとも合致する言葉は、3つ目の「動かす」です。

念のために説明しておくと、ここで言う「動かす」とは地理的に移動させることではありません。物体としてのコンピュータを移動させることは「運用」の範囲ではないので、「コンピュータを含むITシステムに、人が仕事をさせること」が「動かす」の意味だと考えてください。

さて、ここで素朴な疑問が湧いてきます。

「コンピュータは自動で色々やってくれるのだから、わざわざ人が動かす必要はないのではないか?」

確かにそうかもしれません。人の代わりに仕事をするコンピュータに、動かす人が必要というのは不思議にも思えます。しかし実際のところ、コンピュータを含むITシステムは人が動かすものなのです。

現代のコンピュータはとてもデリケートで、時には人が意図した動きをしてくれないことがあります。それはもうコンピュータの機嫌が悪いとしか思えないくらいの状態です。人工知能でも搭載されていない限り、コンピュータの機嫌が悪くなったりすることはないと思われますが、その道のプロが集まってもコンピュータが正常な動きをしてくれず、お手上げという状況に陥ることも多々あります。泣きやまない赤ちゃんを抱っこして右往左往する新米パパのような、どうしようもない状況だと想像してください。

ITシステムは人が「お世話する」もの

SFになりますが、「ドラえもん」を例に挙げて考えてみます。

ドラえもんがパニックに陥り、機能が停止してしまった最悪の状況を想像してみましょう。このままでは明るい未来が遠のいてしまうので、どうにかしてドラえもんを再び起動させなくてはいけません。まさにどうしようもない状況です。

それでは、ドラえもんの起動スイッチは誰が入れるのでしょうか? ドラミちゃんでしょうか? では次に、ドラミちゃんの機能が停止してしまったらどうしたら良いのでしょうか? 未来からやって来た別のロボットが起動スイッチを入れてくれるかもしれません。それでは、今度はそのロボットの機能が停止したら…? ロボットや機械のみでは、どうしようもない状況を断ち切ることはできません。

やはり、最後は人間です。のび太君が登場するのです。

ITシステムとて、「人が作ったもの」です。うまく作ったつもりでも、思い通りに動かないことがあります。だから、常に人がお世話をしてあげなくてはいけないのです。コンピュータや機械に任せておくことは、相応のリスクを負うことになります。仮に、全てをコンピュータに任せようとすれば、莫大な費用が必要になりますし、またその実現は困難を極めるでしょう。

現実の世界に話を戻します。

皆さんは、毎朝オフィスに来たらPCのスイッチをONにして、仕事を始めますよね。仕事をしている最中に、PCの動きがおかしくなったり画面が固まってしまったりしたことはありませんか? その度にマニュアルを読んだり、周囲の人に聞いたり、別のPCからインターネットの検索サイトで調べたりして、何とか改善させようとします。しかし何が原因なのかわからないので、情報システム部の人に頼んで対処してもらい、何とか仕事を再開することができるようになりました。「今日は大変だったな」とため息をついて、PCのスイッチをOFFにして会社を後にする…。

皆さんも普段からコンピュータのお世話をしているのではないでしょうか。コンピュータは勝手に動いているものではないことが、ご理解いただけたでしょう。

コンピュータと同じく、ITシステムも人が「動かす」ものです。そして、何かのきっかけによって思い通りに動かなくなることがあるので、常に人が面倒を見ないといけません。この「面倒を見る」仕事が、「運用」なのです。


■次のコラム
第5回 運用のハッピーとは?

■前回のコラム
第3回 何を「運用」するの?

著者:運用・自動化サービス推進部 運用デザイナー 紫藤 泰至

メインフレームからのシステム運用の経験を活かし、お客様のシステム運用をデザインする業務を歴任。
現在は、仮想化基盤(プライベートクラウド)運用、運用自動化をデザインするコンサルティングに従事。
ITIL Expert保有。

※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。

ソフトウェア ロボットソリューション 詳しくはこちら メールマガジン 登録はこちら
一覧を見る

事例紹介

長年の安定した品質により、数多くのお客様のビジネスを支えています。

一覧を見る資料DL

pagetop