特集・コラム

仮想化基盤運用コラム

第3回 何を「運用」するの?

著者:運用・自動化サービス推進部 紫藤 泰至

「運用」するものは、コンピュータ?

「運用」という言葉自体の持つ意味とは、「そのものをうまいこと用いて(使って・動かして)、目的を達成する」ことでした。それでは、この言葉の意味に私の考える「運用」を当てはめてみたいと思います。

私の考える「運用」は、次の3点に集約することができます。

①何を?
②(うまく)どうすると?
③どうなるの?(どんな目的が達成できるのか)

これから、①~③の中身について 、順を追って説明していきます。今回は、まず①の「何を」対象に「運用」するかについて考えていきましょう。

「運用」を分解してみる
「運用」を分解してみる
「何を」運用するのかと聞かれた時、私の妻だったら、「コンピュータ会社なのだから、運用するのはコンピュータでしょ?」と即答するでしょう。(※コラム第1回参照) 

しかし、この素朴な返答も、あながち間違っているとは言い切れません。なぜならば、昔はコンピュータが「運用」の対象だったからです。昔と言っても20~30年くらい前の話ですが、ともあれその当時の「運用」は、コンピュータが主役でした。

コンピュータの進化が「運用」を変えた

ここで、一つ質問をさせてください。

「あなたにとって、コンピュータとはどのようなものでしょうか?」

職場の机にあるPCでしょうか。膝の上で使うタブレットでしょうか。はたまた、手のひらに収まるスマートフォンでしょうか。人それぞれイメージが違うと思います。世代が若くなるにつれ、より小型のものをイメージすることが多いようです。

しかし、昔の人にとってのコンピュータとは 、今よりとても大きい代物でした。私が新入社員の時に、仕事で初めて扱ったコンピュータは、1台が業務用冷蔵庫並みの大きさだったのです。1990年代前半に入社した私ですが、かなり大きかったことを憶えています。
昔のコンピュータのイメージ
昔のコンピュータのイメージ
現在では、当たり前の存在になっているコンピュータも、当時は高価であり(今も高価ですけどね)、貴重なものでした。大きなコンピュータがドンとあって、その1台を会社のみんなで使っていました。とても大きな電卓といったイメージでしょうか。1人1台のPCが当たり前の現在では、想像もつかない使い方だと思います。当時のコンピュータは、まだまだ黎明期だったのです。

コンピュータに関する技術の進歩はすさまじく、日進月歩とはまさにコンピュータのためにある言葉と言っても過言ではないでしょう。技術が高まるにつれ、コンピュータを作っていた人は、「単に数字の計算をさせるだけではもったいないので、より大きな概念の『情報』も扱わせよう」と考えるようになりました。「IT(Information technology)」の登場です。

このようにコンピュータの技術は進歩してきましたが、世の中に普及するにはもう1つ課題がありました。大きなコンピュータはとても優れた性能を持っているため、どうしても価格が高くなります。この価格が、普及の障壁だったのです。

そこで、コンピュータを作っていた人は、「比較的安い、小さなコンピュータを複数台組み合わせて、大きなコンピュータの性能に追いつかせよう」と考えました。この組み合わせの発想によって価格は徐々に下がり、コンピュータは普及していきました。コンピュータの技術はさらに進歩し、同時にITの使い方も変わりました。より高度な情報処理を実現するために、様々な構成要素(コンポーネント)を組み合わせるようになったのです。そして、コンピュータを含む様々なコンポーネントの集合体を、新しい概念として「ITシステム」と呼ぶようになりました。

コンピュータの歴史を簡単に紐解きながらITシステムの説明をしてきました。ただ、言葉の定義で言えば、「運用」と同じく「ITシステム」の定義も唯一無二ではありませんので、一つの考え方として捉えていただければと思います。

また実務上では、「運用」のお話をするときに、「運用」対象(と範囲)の認識を、自分と相手とで一致させるように注意しています。ちょっとした認識の不一致が、思わぬトラブルに発展することもあるからです。皆さんも、相手と話している時に何かかみ合わない、理解できないと感じた経験があるのではないでしょうか。そうした場合は、できるだけ早い段階で、基本的な言葉の定義を確認し、共通認識を持つことをお勧めします。

ここで、最初の問いに戻りましょう。現在の「運用」の対象とは、「ITシステム」が主になります。ITの進化に伴い、「運用」の対象がコンピュータだけでなく、「ITシステム」に範囲が広がってきたことがご理解いただけたでしょうか。これで一歩、「運用」の基本的な捉え方に近づきました。

次回のコラムでは、先頭で説明した ②にあたる、「ITシステムをどうするのか?」をご説明します。

ちなみに、CTCシステムマネジメントで行っている運用サービスの対象は、ITシステムだけではありません。ご興味のある方は、こちらをご覧ください。

■次のコラム
第4回 誰がスイッチを入れるの?

■前回のコラム
第2回 身近にある「運用」




著者:運用・自動化サービス推進部 運用デザイナー 紫藤 泰至

メインフレームからのシステム運用の経験を活かし、お客様のシステム運用をデザインする業務を歴任。
現在は、仮想化基盤(プライベートクラウド)運用、運用自動化をデザインするコンサルティングに従事。
ITIL Expert保有。

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