特集・コラム

ローカル5Gコラム

第4回 ローカル5G利用準備の際によくあるご質問

著者:デジタルビジネス本部 中島 暁子

2019年12月に関連法令が制定され、ローカル5Gの免許申請が可能となり数ヵ月が経ちました。すぐに免許申請を行った企業様もいらっしゃいますし、どう使うかをまだ決めかねている企業様もいらっしゃるようです。実際にCTCSへも様々なご相談をいただいており、今回はその中から代表的なものをいくつかご紹介したいと思います。

1. よくあるご質問

実験免許と商用免許の違いとは?

お客様によくご質問頂くのは「実験免許」と「商用免許」はどう違うのか?というご質問です。
まず、現状ローカル5Gで取得可能な「商用免許」(「自営用免許」とも呼ばれます)は、2019年12月に免許申請可能となった28GHzのNon-Standalone(以下NSA)構成のみです。
しかし、実際のサービスは4.6GHz帯のStandalone(以下SA)構成で行うので、SA構成で免許申請を行いたい、というご要望もよく聞かれます。

2020年4月時点で、4.6GHz帯のSA構成は商用免許の申請が出来ません。そこで登場するのが「実験試験局」という免許です。これを申請することで、検証を行うことが可能になります。
ただし実験試験局の免許申請は、商用免許とは異なり、幾つかの追加の対応が求められます。

具体的には、
・実験計画書の作成が必要
・相談先は地方の総合通信局ではなく、総務省(本省)である
・技術適合証明、設計認証とも対象外の為、基地局、端末ともに登録点検が必要

総務省は全国の同様の案件を一手に担っている為、地方総合通信局への商用免許申請に比べて審査時間が長引く傾向にあり、商用免許よりも免許交付までに時間がかかるのが一般的です。さらに追加の書類や作業も発生する為、商用免許に比べてハードルが高いということを念頭に置き、検討する必要があります。

28GHz帯の使い道には何がある?

28GHz帯は前述の通りNSA構成です。28GHz帯は遮蔽に弱く利用が難しい周波数の為、免許申請については慎重になっているお客様が多く見受けられます。
(余談ですが、28GHz帯は5Gにおいてミリ波と呼ばれている周波数帯です)

では、28GHz帯はどういった用途であれば利用価値があるのでしょうか。

28GHz帯のメリットとして1つ目に挙げられるのは大容量通信です。他にローカル5G割当帯域として検討されているSub-6帯と呼ばれる周波数帯のうち、4.6GHz帯は帯域が200MHzで、かつ屋内限定利用になると推測されます(※1)。屋外で利用可能な周波数帯として新たに検討されている4.8GHz帯(※1)も帯域は100MHzです。一方で、28GHz帯は2020年末に帯域が900MHzまで拡張される予定があります。その為、映像や動画などの大容量通信にローカル5Gを利用する場合の候補として挙げられることが考えられます。

2つ目のメリットは遮蔽に弱いことです。遮蔽に弱いことはデメリットとして考えられることが多いですが、逆にこれを活かすことで、特定エリアだけで使わせる利用方法が考えられます。
例えば屋内であれば壁1枚隔てた隣のエリアや外に電波が漏れる可能性は低く、秘匿性が高い場所では候補になると考えられます。屋外でも建物などに遮られる為、エリア設計がしやすいというメリットもあります。

(※1)2020年1月開催の新世代モバイル通信システム委員会 ローカル5G検討作業班作業部会において、
     4.6GHz-4.8GHzは屋内専用として検討を進めること、Sub-6帯で屋外利用可能な周波数帯として
     4.8GHz-4.9GHz帯の検討を開始することが伝えられました。
スタジアムやコンサート等の大規模イベント等への活用も期待されています(イメージ)
スタジアムやコンサート等の大規模イベント等への活用も期待されています(イメージ)

免許申請は先行者が優位になるのか?

「自分達が先にローカル5Gを先に使い始めて、後から隣の事業者が使いたい、と言ってきた時は、調整する必要はないですよね?」というご質問をよく受けます。

ローカル5Gは先行優位ではなく、後から隣接する事業者がローカル5Gを使う場合は、そちらとの事業者間調整を行う必要があります。その為、例え先に利用を始めていても、自分達のカバーエリアが隣の事業者のカバーエリアと重複している場合は調整が必要となるのです。
逆に、既に隣の事業者がローカル5Gの電波を送信していても、こちらが利用を開始するので電波を調整してください、と言う権利があるということです。

最初に調整したらそれで終わり、とならないところがこの制度のポイントです。

免許人の単位とは?

例えば一企業で全国に複数工場を持っていて、それぞれでローカル5Gを使う場合、免許はそれぞれの工場で個別申請が必要になるのでは?と思われるかもしれません。

しかし、免許人の単位は「法人単位」です。(法人登記単位での免許所有となります)
複数の事業所に基地局を設置する場合も、免許人は全て法人名となります。その為、利用する事業所が追加となる場合は、免許も追加の開設申請が必要です。

事業所ごとに免許人を分けることは出来ないということを考慮し、手続きを進めていきましょう。

エリア設計シミュレーションについて

CTCSでもサービスとしてご提供しているローカル5Gの利用エリア設計シミュレーションについて、「免許申請時の提示資料として有効なものか?」というご質問を受けました。

答えは「No」です。

なぜならば、エリア設計シミュレーションに使われているソフトウェアの大半は、法令に定められているローカル5G利用エリア(カバーエリア及び調整対象区域)の求め方と、異なる計算式を使用しているためです。
総務省が提示しているガイドラインのカバーエリアと調整対象区域は、電波法関係審査基準で示された計算式によって求める必要があり、CTCSでも無線免許取得支援サービスでは、この計算式を用いて作成しています。

では、シミュレーションソフトウェアは必要ないのでは?と思われる方もいらっしゃるかと思います。

ソフトウェアを使用したエリア設計シミュレーションは、希望するカバーエリア(サービスエリア)をより正確に設計する為に使われます。ローカル5Gは免許を申請し、予備免許が交付されないと電波を送出出来ない為、試しに電波を送出してみてどこまで届くか調べることが出来ません。その為、実際に無線局を設置したら、使おうと思っていた場所に電波が届かない、といったことが起こる可能性があります。

カバーエリアと調整対象区域を計算する際は、利用エリア及び周辺の地形や建物を細かく考慮しませんが、シミュレーションソフトウェアはこういった現地の情報も細かく入力して算出します。その為、実際にある位置に無線局を置いた場合、どこまでカバーエリアになるかをより詳細に求めることが出来ます。

事業者間調整は誰と行えばいいの?

免許を取得するにあたり、他者へ電波干渉を与えてはいけない、電波の利用時は事前に事業者間調整を行う必要があることを第2回目のコラムでお話しました。
■ ローカル5Gコラム第2回 「ローカル5G活用のために必要な準備事項や留意点とは?」

では、実際に免許申請を行うときは、具体的に誰と電波干渉に関する調整を行えば良いのか?こちらもよく質問いただく内容なので、お答えしようと思います。
事業者間調整は、利用(申請)する周波数帯によって調整先が異なります。
利用周波数ごとの調整対象事業者
利用周波数ごとの調整対象事業者
上記表の通り、利用する周波数帯により調整先が異なりますので留意が必要となります。

2. CTCSが解決します!

今回はローカル5Gの検討にあたりお客様から頂いた様々なご質問のうち、代表的なものをピックアップしてご紹介しました。

CTCSでは今回ご紹介した、エリア設計シミュレーション、免許申請に必要なカバーエリアの計算、実験試験局の免許取得支援はもちろんのこと、免許取得後に発生した事業者間調整や、ローカル5G検討段階での要件定義のご支援も行うことで、皆様のローカル5G利用を全面的にご支援します。

※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。

CTCシステムマネジメントTOP>特集・コラム> ローカル5Gコラム > 第4回 ローカル5G利用準備の際によくあるご質問

ソフトウェア ロボットソリューション 詳しくはこちら メールマガジン 登録はこちら
一覧を見る

事例紹介

長年の安定した品質により、数多くのお客様のビジネスを支えています。

一覧を見る資料DL

pagetop